認知症の方の時効援用に関するQ&A

文責:所長 弁護士 湯沢和紘

最終更新日:2025年04月15日

Q認知症の母が昔借金をしていたようなのですが、子どもである私が時効援用することはできますか?

A

 認知症の方のお子様が、その認知症の方の借金について消滅時効の援用をすることはできません。

 認知症が重く、「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある」場合には、家庭裁判所に成年後見人の選任申立てをし、成年後見人を選任したうえで、その成年後見人が認知症の方の借金に関する消滅時効の援用をすることになります。

 特段の事情がない限りは、認知症の方のお子様が成年後見人になることもできます。

 また、成年後見人となられたお子様が弁護士に依頼して、認知症のお母様の借金に関する消滅時効の援用をすることもできます。

Q認知症の母が債権者からの連絡に返事をしたようなのですが、もう時効援用できませんか?

A

 債権者からの連絡に対する返事が、債務の承認にあたる内容であった場合、認知症の方における認知症の進行度合いによって結論は変わります。

 認知症のお母様が被保佐人や被補助人である場合には、法律上債務の承認を単独ですることができてしまうので、返事をした後は消滅時効の援用をすることができなくなります。

 認知症のお母様が成年被後見人である場合には、単独で債務の承認をすることはできないことから、債権者へ債務の承認をしてしまった後でも、消滅時効の援用をすることができることが通常です。

Q子どもである私が認知症の母の時効援用を弁護士に相談することはできますか?

A

 前提として、認知症のお母様とお子様が利益相反関係にないことが必要となりますが、お母様の時効援用のご相談を弁護士にすることは可能です。

 ただし、お子様が認知症のお母様の成年後見人でない限りは、当事者ではないので、お話しできることには一定の限度があります。

 そのため、可能な限り、お母様もご同席のうえで弁護士に消滅時効のご相談をされることをお勧めします。

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